熊本 審美歯科を活用する手法を探る
東京のハードインフラ改革かくいう私の事務所も、江東区の四ツ目通りに面しているが、計画対象地に組み入れられて久しい。
予定どおりに工事が着工されると敷地面積の半分は明け渡さなければならない。
不便をかこつのは承知のうえだが、それでも早期の工事着工を望んでいる点では他の土地所有者と同じである。
いまのままではいつ工事が着工され、立ち退きを迫られるか皆目わからないうえに、対象となる土地には二階までの仮家屋の建築しか許されないなど、中途半端に私権を制限された状態が数十年も続いているからである。
こうした現況を変える意味でも、一O年なら一O年という期限を区切り、都市計画道路に決定したうちのせめて八割を完成させるべきである。
どうしてもできない残りの二割は、決定を解除して整備をやめてもよいのではないか。
そうしなければ、一OO年も私権を制限してなにもできないという空恐ろしいことにもなりかねない。
この八割というのは、これだけやればまず東京の骨格道路整備が固まるという最低ラインであり、かつ合理的なものでもある。
なにしろ東京では、一本の道路を一0キロ分拡幅するだけでも、数十坪単位の地権者まで含め、何百人との交渉が必要となる。
あまりにもその数が多く、とりまとめが難航するのは必歪であり、八割は現実的な判断といえるだろう。
一O年前のバブル絶頂期の頃までは、土地の値段が右肩上がりで上昇していたため、ゴネ得ということがあった。
最後まで売らなかった地主が、結局は得をするという不公平がまかりとおっていたのだ。
を苦々しく感じた方も多かっただろう。
だが、いまはこの状況が一変している。
地価が下がり続けているため、ゴネ損ともいうべき逆転現象が起こっている。
「このままもっていると価値が下がるばかりだ、早く買い取ってくれるところはないものか」と思案投げ首の地主も多い。
それに、小さな土地の地主の多くが中小企業の経営者であることを考えると、土地を買い上げることは、長引く不況で深刻化している貸し渋り対策にもなる。
いずれにしても、地価が低迷しているこの二~三年が勝負であるのは間違いない景気がよくなって地価が右肩上がりになれば、また地主のエゴが出てくることも考えられる。
このチャンスを逃せば、道路整備に一O倍、二O倍の手間と経費がかかることになりかねなし。
景気が低迷して更地が広がるいまこそ、遅れに遅れていた東京の道路整備を進める千載一遇の好機なのである。
二階以上を使うわけでもない道路に空中権は必要ない、というのが私の持論である。
現行の規定では、道路用地を取得する場合、住宅やオフィスピルを建設するときと同じだけの金額を支払うことになっている。
道路という容積率ゼロ%(一階建ての建物を敷地一杯に建てる場合が容積率一OO%)の土地を取得するのに、八階建てのマンション(敷地一杯に建てると容積率八部分を使用する権利(空中権)付きでの購入が通例となっているのである。
税金の無駄遣いというしかないだろう。
主要道路沿いの歩道については、一階部分だけを歩道として提供してもらい、二階以上の空中権は民間に利用してもらえばいい。
ちょうど日本長期信用銀行本店ビルのように、歩道部分にあたる一階部分はへこませて、二階以上が出っ張った形にするのである。
ヨーロッパの町によくあるショッピングアーケードを考えてもらってもいい。
これまでのように、不必要な道路の上の容積率にまで金を使うことは、いずれ不正支出また、この考えを推し進めていくと、道路沿いを高層化しつつ商庖街も活性化させることが可能になる。
所有者にとっては資産価値が増えることになる。
増えた上層階を居住スペースにすれば、所有者も住めるし賃貸マンションにもできるだろう。
入居者を確保し、そのうえで一階部分の残りをアーケードとして整備すれば、スーパーマーケットにも負けない、魅力的で集客力のある商店街をつくりだすことも夢ではない。
国や自治体にとっても、歩道部分の土地を購入せずにすめば、用地買収費が大幅に減ることになる。
効率的に都市整備を進めるためには、空中権の売買をもっと自由化することが緊急の課題といえるだろう。
加えて、私はかねてより、離れた土地の容積率も譲渡できるようにすべきだと主張している。
虫喰いになっている土地をまとめて、公有地として国や自治体が購入し、将来、道路の拡幅を行う際に容積率を含めて交換するという方法を採用すべきだ、というのがその主張の骨子である。
道路の上は容積率を使わない。
その必要のない容積率を売却することで、道路用地の買収費を節約できる。
ところが現状では容積率ゼロにもかかわらず、容積率六00~八OO%がついたままの土地の値段で道路用地を買収している。
大都市で容積率の売却を認めれば、現在の用地費で六~八倍の道路用地を取得でき、道路整備の期間を大幅に短縮することにもなるはずである。
大都市を中心に深刻化する一方の交通渋滞による被害は、騒音や大気汚染という把握しやすいものにとどまらない。
その経済的損失は、日本全体で年間二一兆円という莫大な金額にのぼる事実をご存じだろうか。
序論でも述べたが、現在、東京都内を昼間走る自動車の平均速度は時速一八キロである。
これを三0キロで定行する場合と比較した経済損失は、年間で四兆九OOO億円に達すると試算されている。
この平均速度を年々アップさせ、仮に一O年後には二0キロ、二O年後には三0キロを実現させたとすると、その二0年間で得られる経済効果は、なんと六O兆円と推計されるのである。
こうしたことから、とにかく緊急に取り組まなければならない道路整備だが、なかでも真っ先に着手すべきなのが環状道路の整備だろう。
東京の道路整備における最大の問題は、放射道路が先行していて、環状道路が少ない点にある。
一般の道路にも首都高速道路についてもいえることで、放射道路だけで環状道路が少ないから、都心部の渋滞が恒常的となってしまう。
できるだけスピーディーに環状道路の整備を進めていくことこそ、最優先課題だろう。
環状線の整備が効果を発揮した渋滞解消事例として、横浜の環状二号線があげられる。
扉風ヶ浦から新横浜まで、開通前には一時間かかっていたものが、開通後には約四O分に短縮、同じく東戸塚から新横浜まで五O分だったものが二O分になった。
また、周辺道路の渋滞緩和にも貢献した。
国道二ハ号線の八幡橋付近では、環状二号線の開通前には渋滞の長さが一八00メートルであったものが、わずか一00メートルにまで劇的に減少、通過時間も三O分からわずかに三分となったのである。
高速湾岸線の羽田~横浜聞は平成六年って交通量の分散が促され、高速横羽線の横浜(みなとみらい)~羽田空港ターミナルまでの所要時間は、約半分になったのである(図表2・5参照)。
当然、横羽線の渋滞解消効果も大きく、生麦ジヤンクシヨンでは、湾岸線開通前には○○キロあった渋滞が、開通後にはゼロとなっている。
さらに、産業道路の大師河原交差点や国道三三一号線の夜光交差点での渋滞が大幅に緩和され、一般道路の所要時間も大幅に短縮されたことがデータから裏づけられている。
開通前交通量が一日二万九000台に対し、開通後は五万七000台に倍増した。
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